11月3日に曽爾高原(奈良県曽爾村)に出かけました。今年ははじめて子供たちも上まで登りました。
曽爾高原は夕日の名所として写真家の間で大変有名な場所です。秋の夕暮れになると、見晴らしの良い場所は三脚でいっぱいになります。陽光に輝き秋風に波打つススキの海原の向こうに太陽が沈んで行くという訳です。
私のお気に入りは、曽爾高原のみならず、そこへ至る道中も含めて景色がダイナミックであることです。険しい山々を縫うように走るアクセス道路は、時々刻々と繰り広げられる眺望の変化で、見る者を決して退屈させません。写真は曽爾高原近くで突如姿を現す鎧岳(標高840m)。
音風景は時間軸に沿ってダイナミックに変化する点にその特徴があります。視覚的な景観にも同様に時間軸上の変化があり、それを捉える「シーケンス景観」という考え方があることを教えてくれたのは、大学院でお世話になった角野幸博先生でした。大手広告会社のプランナーから大学教授に転身された角野先生は、学校ズレしていないというか、良い意味で一般人の感覚を持った人で、私の非アカデミックな研究についても前向きに面白がって下さいました。学位論文を書いた時は副査も引き受けて下さいました。
「シーケンス景観」などという言葉を使わなくても、私達は誰しも日常生活の中で景色の移ろいを楽しんでいるものです。しかし、言われてみると確かに、「計画」という文脈の中では、景観がしばしば一枚きりの鳥瞰図や風景画(写真)といったスタティックなものとして捉えられていることがしばしばあります。以来、自身の移動に連れて、時間の経過に連れて、多様に変化する景観の「移ろい」を楽しむ傾向はますます強くなったのです。
現在住んでいる大和郡山市から曽爾高原へ向かうには、名阪国道の小倉ICから県道127号(北野吐山線)、県道28号(吉野室生寺針線)を経て曽爾村中心部を通る国道369号線へアクセスします。
このうち県道28号線は、山の霊気を感じさせる静かな小道。私のお気に入りのひとつでもあります。写真はバス停「黒岩口」(奈良交通)付近。この小さな橋(不動橋)もかわいい。
山で秋の終わりを感じ冬に備える、そんな習慣も今年限り。来年はどんな景色の移ろいと出会うことができるのか、今から楽しみです。
ハヤト
なるほどね〜。言われてみれば、眺めって一瞬二瞬の移ろいを楽しむものなあ。
それにしてもいい土地ですなっ! こんなところで何日もキャンプをしたい♪
azsy
ハヤトさん、コメントありがとうございます。そうそう、キャンプしたい!ですよね。満月の夜なんてきっと素晴らしいでしょうねえ。